ラフ
2015-01-30 by Beige Shiba Inu
完成品に近づくための段階的なテクニック。
ひとつのデザインを作り上げる過程において
デザインのコンセプトが決まったら、まずどんどん案を出していきます。
このとき案出しのために描いていくものを「サムネイル」と呼びます。
「サムネイル」は、一般的には
「画像を縮小表示したもの」
という意味で使われている用語かと思われますが
デザインの現場では
「誰に見せるためのものではなく、まずアイデア段階として形にしてみたもの」
を指します。
この段階では手描きの場合が多いでしょう。
一つ一つを作り込むものではなく、まずはとにかく量を出していきます。
良し悪しを考える前に形にしてみることで、頭の中が整理されていくわけです。
そして、「サムネイル」を描くなかでデザインの方向性が固まってきたら
そのうち面白いものを絞り込み、いくつかピックアップして
「ラフ」に起こしていきます。
「ラフ」とは「ラフスケッチ(rough sketch)」の略。
「大まかなデザイン案」のことをいいます。
この段階から、社内の人間やクライアントの方など
第三者にも提示していくものになります。
「ラフ」はアナログな手描きの場合も、デジタルソフトで作成する場合もありますが
あまりに作り込んでしまうと、逆に
修正すべきポイントが分かりにくくなってしまう場合があります。
ここでは、クライアントの方との意見のすり合わせがとても重要なのです。
ほぼ完成!という段階になって「やっぱりなんか違う…」と
また振りだしに戻ることになりかねませんからね。
「サムネイル」→「ラフ」、ときてその次には
ほぼ完成形のデザインとなる「カンプ」という過程を踏みますが
これらは必ずしもきっちりと分けられているわけではありません。
「ラフ」といいつつ「カンプ」に近いものの作成を求められることもありますし
そもそも作成する過程でいずれかを省略してしまうことも、
逆に「サムネイル」と「ラフ」の間に、より細かく中間的な段階が
必要になることもあります。
大事なのは、アイデアの枠を限定しないこと。
一つのアイデアにたどり着くためには、まずその裾野となる「量」が必要なのです。