明朝体
2015-01-05 by Beige Shiba Inu
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可読性の高い書体。和を感じさせる美しいフォルム。
(1)明朝体とは
楷書体(現在も国語の教科書などで使われている標準的書体)をもとに、
木版印刷用にフォルムを単純化したのが「明朝体」です。
中国で生まれ、日本では明治初期に広まりました。
明朝体が伝来した当時の日本では、印刷が必要な重要書類は
漢字とカタカナによる表記がなされていましたが、
その後活版印刷が導入されると、さまざまな用途に応えるために
ひらがなの印刷も必要となります。
古来ひらがなは連綿と続けて書くものとして捉えられていたため、
それらを一字ごとに正方形内におさめてデザインし直さなければならなかったそうです。
また当時は、漢字とかなは別々にデザインされるのが一般的でした。
現在でも、文字組の際に漢字とかなで
別の書体を指定する場合はたびたびあります。
例えば、漫画のふきだしネーム。
改めてよく見てみると、漢字はゴシック体、ひらがなは明朝体に
なっていることが多いかと思われます。
(2)明朝体とセリフ体
日本語の書体は、主に明朝体とゴシック体の2つに大きく分けられますが、
欧文の書体もまた「セリフ体」「サンセリフ体」に分けることができます。
明朝体と同様に、セリフ体は横線に対して縦線が太く、
書体の角に「ウロコ」と呼ばれる盛り上がりがあります。
(3)明朝体と可読性・視認性
長文を読ませる際には高い可読性(読みやすさ)が必要なので、細い文体が向いており、
よって小説やレポートなどの本文には主に明朝体が選ばれています。
ですが画面やスクリーン上では、明朝体は
視認性(遠目からでもはっきり確認できるか)が低くなりがちなので、
そういった場合にはウェイトの小さいゴシック体のほうが適切でしょう。