鏡映色
2014-12-24 by Beige Shiba Inu
色のついた鏡面に物体が映ると、映り込んだ物体の色が変化して見えます。
ピカピカに磨かれた黒い車のボディなど、色の付いた鏡面を覗き込むとき
そこに映るあなたの顔は、普段鏡に映しているものとは色が違って見えますよね。
この場合だとぐっと暗い色になっていると思います。
これを「鏡映色」といいます。
「鏡映色」は、ドイツの心理学者ダビット・カッツが
心理的に色がどう捉えられるのかを「色の現象的分類」として分類したうちの一つ。
色の三属性(色相・明度・彩度)は
それがどういう状態で現れているかによって、見え方にも変化が出てきます。
分類上では「鏡映色」のほかに
・「面色」
・「表面色」
・「透明面色」
・「透明表面色」
・「空間色」
・「光輝」
・「灼熱」
などがあります。
「鏡映色」のお話に戻りますが
これは「赤の鏡映色はえんじ色」などと明確に特定できるものではありません。
あなたの顔が映る鏡面は冒頭に挙げた車のボディかもしれませんし、
電車の窓かもしれませんし、森の中の湖面かもしれませんし、
手元のカップに注いだコーヒーの水面かもしれません。
材質・色も違えば光源も違うわけで
また仮に同じ鏡面でも、たとえば早朝と夕暮れでは全く違う色になるでしょう。
とはいえ、これらは意識せずとも私たちが日常的に目にしている「色」です。
なのでデザインに鏡映色を組み込めば、
逆にその鏡面の材質や周囲の状況・イメージなども一緒に付け加えることができます。
ものが何かに映されるとき、それはどんな色に変化しているのか?
観察してみるのも楽しいかもしれません。