色の不調和
2014-12-24 by Beige Shiba Inu
色が調和する法則と、そこから外れた「不調和」な状態とは。
色が「調和している」「合っている」とはどういうことだと思いますか?
「色彩センス」って言葉、よく耳にしますよね。
主にファッションを語る際に聞くような気がしますが、この場合の「センス」って一体なんでしょうか。
「センス」と言われてしまうと、それこそ生来のもの、感覚的なものであり、
生まれ持ってセンスの良い人には、そうでない人は敵わない、そんな印象を抱いてしまったりもします。
でも、決してそうではありません。
「色の調和」はあくまで技法です。体系化されており、学んで身に着けることができるものです。
私たちが日常でぼんやりと
「この色とこの色は合ってる気がする」「これは合ってない気がする」と考えているものには
きちんとした法則があります。
逆に言えば、その法則から外れたものこそが「不調和」であるわけです。
この項では、さわりではありますが、この「調和」「不調和」について解説していきたいと思います。
▼「ジャッドの色彩調和論」
過去さまざまな学者や美術家が色彩調和論を発表しました。
それらを4つの原理としてまとめたのがアメリカの色彩学者ジャッドです。
(1) 秩序の原理 一定の法則によって規則的に選ばれた色は調和する。
(2) 類似性の原理 共通性・類似性のある色同士は調和する。
(3) 明瞭性の原理 明快なコントラストをもつ色同士は調和する。
(4) なじみの原理 自然の中でよく見かける配色など、見慣れた配色は調和する。
これらの原理を踏まえて、ここでは色相を基準にした配色を解説します。
▼色相を基準にした配色
◎2色配置:ダイアード
色相環で対向する位置関係(180°)にある補色配色をいいます。
◎分裂補色:スプリットコンプリメンタリー
補色配色の一方が、隣接する2色相に分裂された3色配色です。
補色配色に比べて複雑なニュアンスをもちます。
◎3色配色:トライアド
色相環に内接して、正三角形や二等辺三角形を結んだ3色配色です。
「赤・青・黄」などは代表的なトライアドといえます。
◎4色配色:テトラード
色相環での位置関係が正方形、もしくは長方形になる4色配置です。
2組の補色配色を組み合わせたものになります。
◎5色配色:ペンタード
トライアドに白と黒を加えた5色配色です。
または、色相環に内接した正五角形の5色配色をいいます。
◎6色配色:ヘクサード
色相環に内接する正六角形の6色配色、
もしくは3対の補色による6色配色や、テトラード配色に白と黒を加えたものをいいます。
以上のような配色は、色相環上で一定の比率によって規則的に選択する方法です。
そのため上記の原理では (1)秩序の原理 にあてはまります。
また、色相の対照による調和を基本としているため、色同士の関係がとても明瞭です。
明快なコントラストのある配色になるので
(3)明瞭性の原理 にもかなっているといえるでしょう。
規則にのっとった配色には「調和」が生まれます。
反対に「不調和」になってしまうのは、これらの法則を無視したことが原因である場合が多いです。
調和しない配色は、Photoshopなど画像作成ソフトのカラーバーなどで
機械的に色を選んでしまうと発生しやすくなります。
HSBカラーバーは順に、Hue(色相)・Saturation(彩度)・Brightness(明度)を示しています。
カラーバーは横一列に並んでいるので、色相環の関係を忘れがちになってしまうのです。
配色がなんだかおかしいな、色がマッチしていないな? と感じたら
まずは配色の基本原理に立ち返ってみるとよいかもしれません。